札幌にて。その1
五年前、ぼくは北海道から奈良までヒッチハイクで帰る道中、苫小牧の港からフェリーに乗った。
フェリーは初めてで、ざこ寝のスペースの使い方がよくわからず、たまたまそこにいた、同い年くらいの彼に声をかけた。
いろいろ話をしていると、同い年だということが分かり、秋田の実家に帰るところだというので、そこまで乗せてもらうことになった。たしか、フェリーの中の風呂も一緒に入ったっけ。
八戸から秋田の実家まで、3.4時間くらい。いろいろお互いのことを聞いたり、将来の話をしたりしたような気がする。ぼくは小学校の先生になることが決まっていて、彼はプロスキージャンパーを目指していたところ。
実家に着くと、そこはまさかの旅館。朝の一番風呂に入れてもらって、朝食もごちそうになり、お父さんに気に入ってもらってか、きのこ狩りに連れて行ってもらった。
他にも、なまはげのお面を被らせてもらったり、お昼ご飯までいただいたり、もう少し滞在してもいいということもいってもらった。
ここでもう少しゆっくり…とも思ったけど、旅を続けないといけないので、昼ごはんをいただいたところでお別れ。1枚目はそのときの写真。
5年経った今、ぼくが札幌にいることを知った彼が連絡をくれて会いに来てくれた。忘れかけてたことが、いろいろと思い出され、懐かしくも嬉しい気持ちが込み上げくる。
彼は、ちょうど会う前日に、試合を終えたところで、ぼくは講師の仕事を終えたところだった。
5年前も、この日も、事前に計画されたものではなく、偶発性の中で起こった奇跡的な巡り合わせ。ぼくは、こういうことの繰り返しの中で、また、旅を続けていきたいなあと思うのであった。
いやー、それにしても5年で老けすぎてる。。。